神奈川県鎌倉市にある江ノ島電鉄「鎌倉高校前」駅は、アニメ「スラムダンク」のオープニングで桜木花道の通学シーンに登場することで知られ、国内外から多くのファンが訪れる人気の“聖地”です。
特にアジア圏を中心としたインバウンド観光客の増加により、現地経済の活性化が期待される一方で、マナー違反や違法行為による”観光公害”が深刻な社会問題となっています。
当記事では、現地住民が実際に直面している被害や、それに対する行政の対応、ネット上の反応などについて深堀りします。
観光客によるマナー違反の実態
観光客の急増とともに顕著になったのが、踏切周辺でのマナー違反です。
写真撮影のために車道にはみ出す、民家の敷地に無断で立ち入るといった危険行為が頻発しています。
さらに、近隣住民からは「宅配ボックスの無断使用」「壊れたスーツケースの不法投棄」などの被害も報告されており、朝には地域のボランティアが散乱したゴミを拾うのが日課となっているほどです。
最も深刻なのが「トイレ問題」です。
観光客数に対して公共トイレの数が圧倒的に不足しており、駅のトイレが破損により閉鎖された期間中には、野外での排泄行為が急増。
特に鈴木病院周辺では、物陰に人間の排泄物が放置されているケースもあり、職員が出勤前に掃除を強いられる事態となっています。
引用:FRIDAYデジタル
地元住民の生活が崩壊寸前
観光客だけでなく、外国人ドライバーによる違法な白タク行為も問題視されています。
個人の駐車場に無断で入り、翻訳アプリを使って逆ギレするケースも多発。
韓国語や中国語を話すドライバーが多く、言語の壁がさらなる摩擦を生んでいます。
また、2025年8月25日には男子中学生が外国人ドライバーに当て逃げされる事件が発生。
迷惑駐車を注意したことでトラブルに発展し、自転車に衝突された上に「邪魔だ!」と怒鳴られ、スマホで写真を撮られて走り去られたという深刻な内容でした。
住民の中には「耐えきれず引っ越した家庭がいくつもある」と語る人もおり、観光地としての限界が指摘されています。
行政の対応と今後の課題
鎌倉市観光課によると、「目の前の課題に対し、関係機関と協議を重ねて対応を進めている」とのこと。
しかし、現状では抜本的な解決策は見えていません。
トイレのインフラ整備や、マナー啓発の多言語対応、監視カメラの設置、白タク取り締まりの強化など、即時性のある対策が求められています。
観光収入は地域経済にとって重要な資源である一方で、住民の生活と安全が損なわれては本末転倒です。
地域と観光が共生できる持続可能な仕組みが急務です。
ネット上での反応と声
ネット上では、踏切周辺でのマナー違反に対して、様々な声が寄せられています。
・「観光地としての限界では?」
・「スラムダンクのイメージが壊れる」
といった声が多数見られます。
一方で、
・「外国人観光客が悪いのではなく、受け入れ体制が不十分」
とする意見もあり、原因と責任の所在をめぐる議論が続いています。
一部のファンからは、
・「大好きな作品の舞台が迷惑施設扱いされるのは悲しい」
といった感情的な反応もあり、今後の観光のあり方について社会的な議論が必要とされています。

まとめ
スラムダンクという世界的コンテンツの影響で注目を集めた鎌倉高校前駅。
しかし、その人気がもたらしたのは、決してポジティブな面ばかりではありません。
今後は、観光客のモラルと、行政による環境整備の両立が不可欠です。
観光による地域活性化と、住民の安全・安心が共存できる環境づくりが、今求められています。
当記事は以上となります。
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