福岡市内のある保育園で、2歳の女の子を対象にした 「カメレオンに似てる」「マンボウみたいよ」 といった容姿を揶揄する発言が、母親が仕込んだボイスレコーダーによって記録されていたことが明らかになりました。
保育士による“褒め言葉”の名目での言葉が、子供の心にどのような傷を残すのか。
園と保護者の対応はどうあるべきか。
当記事では、事件の概要や保護者が取るべき対策、社会的反響などについて深掘りします。
事件の概要
福岡市内の保育園で、9月、保育士2名が2歳女児に向けて不適切な発言をした音声が録音されていたことが報じられました。
保育士Aは「カメレオンに似てる」「マンボウみたいよ」「顔がお魚になっている」などと発言し、保育士Bも「褒め言葉よ」「元からこんな顔です」などと応答。
母親が娘の様子に異変を感じ、娘のお守りに小型ボイスレコーダーを忍ばせて登園させていたところ、これらの発言が録音されていたというものです。
園は発覚後、該当保育士について出勤停止の処分をとったと説明。
ただし、他の保護者に対する十分な説明は未だなされておらず、不透明感が残る対応だという指摘もあります。

母親のショックと娘の変化
保育園に通い始めて約3か月が経った8月下旬ごろから、女児は「嫌だ、嫌だ」と泣いたりのけぞったりするようになったと母親は語っています。
これをきっかけに母親は違和感を抱き、録音を試みた結果、信じがたい言葉が記録されていました。
録音を聞いたとき、母親は「涙が止まらなかった」と語っています。
「カメレオン」や「マンボウ」といった表現は、本人にとってはからかわれている、笑われているという印象を与えかねず、子供の自己肯定感や安心感を損なう可能性があります。
園と保育士の対応
事件発覚後、保育士側は不適切発言の事実を認め謝罪し、
・「子供たちの前で言ってはいけない言葉を使っていた」
・「預けたくないと思われても仕方ない言葉かけをしていた」
などの認識も示しました。
園側は該当保育士を出勤停止とすると説明。
一方で、他の保護者に対する十分な説明や謝罪がなされておらず、透明性を欠く対応として批判の声も出ています。
福岡市も事実確認を進めており、園に対して全職員のヒアリングや報告書提出を求めているとの報道も出ています。
保護者ができる防止策と対応
この種の事案を前に、保護者側として取れる手段を下記に整理します。
項目 | 対応策 |
---|---|
子供の様子を日常的に観察 | 保育園登園前後の表情・言動の変化を記録する |
不穏な変化に敏感になる | 急に泣く・嫌がる行動が増えたら注意する |
記録手段を検討する | ボイスレコーダー・録音アプリなどで言動を残す(法的可否に注意) |
園と冷静に対話する | 録音や具体的事例をもとに説明要求・改善要望を出す |
第三者機関に相談する | 児童相談所、自治体の保育指導監査部門などへ相談 |
保育園選びの基準を見直す | 保育理念、職員対応、保護者との関わり方なども重視する |
録音については、法令やプライバシーの観点もあるため、使い方には慎重を要します。
ただ、子供の安全を守るための十分な根拠として有効になるケースもあります。
ネット上での反応と声
このニュースは報道後、多くの人の関心を呼び、ネット上でも議論になっています。
・「2歳の子供にそんな発言をするなんて信じられない」
・「保育士が子供を守る立場なのに、逆に傷つける発言をしてしまってはいけない」
・「園側の説明責任が果たされていない」
・「他の子供にも同様のことを言っていた可能性がある」
・「日常にひそむ“言葉の虐待”をもっと可視化すべき」
こうした声は、世論として保育の質と保育士の言葉遣い、保護者との信頼関係の在り方を問い直す契機にもなっています。

まとめ
今回明るみに出た 「マンボウ」「カメレオン」発言による容姿いじり は、子供の心に小さくとも確実な傷を残しうる行為です。
保育という場では、言葉の選び方こそが子供の心を育む礎となります。
園側には透明性と説明責任が求められ、保護者にも観察力と対応力が求められます。
また、社会としても「日常の言葉」にもっと敏感であることが必要でしょう。
子供の安心できる保育環境を守るため、今回のケースをただ報道で終わらせず、教育・保育現場全体の改善につなげていくことが大切です。
当記事は以上となります。
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