日本の男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」が創立10周年を迎え、2026-2027シーズンから“世界初”とも言える大改革に乗り出します。
これまでのB1〜B3の昇降格制度を廃止し、NBAのようなエクスパンション型の新リーグ構造へと移行。
「B.革新」と呼ばれるこの取り組みは、スポーツ経営の在り方そのものを変える試みとして注目を集めています。
当記事では、Bリーグの改革内容と背景、アリーナ戦略、そして今後の展望などについて深掘りします。
なぜ今Bリーグは「構造改革」を決断したのか?
Bリーグは、競技成績に基づく昇降格制度を廃止し、経営力や地域貢献力を重視した新制度を導入する理由として、スポーツクラブ経営の持続可能性を重視しています。
島田慎二チェアマンは「クラブが勝てなくても、経営が安定すれば存続できる」と語っており、これまで競技偏重だったバランスを、経営と社会性に戻すことを目的としています。
また、運営スタッフへの正当な報酬や働く環境の整備、投資先としてのスポーツクラブの価値向上なども改革の主眼に置かれており、「ただのスポーツ」から「事業」としてのステージへ進むことが求められているのです。
引用:ITmediaビジネス ONLINE
B.革新の中身とは?
「B.革新」の核となるのが、B1〜B3のピラミッド構造から、下記の3リーグへと再編される点です。
・B.LEAGUE PREMIER(プレミア)
・B.LEAGUE ONE(ワン)
・B.LEAGUE NEXT(ネクスト)
特にBリーグプレミアは「エクスパンション型」を採用。
クラブの昇降格はなく、リーグの判断で新規クラブを追加する形式です。
参入条件は厳格で、下記の3点が必須条件となっています。
1.収容人数5,000人以上かつVIPルーム完備のアリーナ
2.1試合平均観客数4,000人以上
3.年間売上12億円以上
これにより、ただ強いだけでなく「地域に根差した、持続可能なクラブ経営」が求められるようになります。
アリーナ改革のインパクト
B.革新においてもう1つ重要なのが「アリーナ改革」です。
自前のアリーナを持つことで使用料を抑え、経営の自由度を高める狙いがあります。
また、VIPルームの設置や多目的利用(格闘技、コンサート、避難所機能など)によって、地域経済への波及効果も期待されます。
特に地方都市においては、「おらがまちのクラブ」の存在が人と金を呼び込む起爆剤となりうると島田チェアマンは強調。
リアルな観戦体験の価値が高まる今後の時代において、アリーナの整備はBリーグ成功のカギを握っています。
Bリーグは「日本の第4大スポーツ」となれるか
かつて分裂していたJBLとbjリーグを統合して誕生したBリーグは、2024-2025シーズンに過去最高の入場者数484万人を記録。
事業規模は創設時の196億円から706億円へと3.6倍に成長しました。
観客の52.2%が女性であり、若年層の支持も厚く、「次世代スポーツ」としての地位を確立しつつあります。
これまで、野球、サッカー、相撲の3大スポーツに続く「第4のスポーツ」の座を、ラグビーやバレーと競ってきたBリーグですが、着実な経営成績と観客動員数で一歩リードしている印象です。
ネット上での反応と声
ネット上では、
・「世界初の取り組みにワクワクする」
・「地域にアリーナができるのが楽しみ」
といった肯定的な声が多く見られます。
一方で、
・「昇降格がないのは緊張感に欠ける」
といった慎重な意見もあります。
特にスポーツ経営に関心のある層からは、
・「経営を重視することでスポーツの未来が変わる」
と高く評価されており、ビジネス×スポーツの融合として注目を集めています。

まとめ
Bリーグが進める「B.革新」は、単なるリーグ構造の変更ではなく、スポーツ経営の価値観を根底から覆す試みです。
昇降格を廃止し、地域貢献・経営力を重視したクラブ評価軸に転換することで、より持続可能で魅力的なプロスポーツリーグへと進化しようとしています。
島田慎二チェアマンのビジョンのもと、Bリーグが“世界初”の成功モデルとなれるか。
その動向は、日本のスポーツ界全体にとっても大きな意味を持つことでしょう。
当記事は以上となります。
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